システム開発の「相場がわからない」ときの判断基準
複数のベンダーに見積もりを依頼したら、金額が2倍、3倍違った——。システム開発の発注では、珍しくない光景です。「相場がわからない」と不安になりますが、まず押さえていただきたいのはこの一点です。同じ要件を渡しても、同じものが出来上がるとは限りません。
同じ要件から、違う見積もりが生まれる理由
ベンダーによって、提案の内容は様々です。
- 単価や工数を抑えて、できるだけ安く提示する会社
- セキュリティ対応や、要件の行間にある「潜在的に工数がかかる課題」まで見据えて見積もる会社
- 得意な技術やパッケージを前提に、実現方法そのものが異なる会社
後者ほど見積もりは高くなりますが、それは「同じもの」に高い値段を付けているのではなく、そもそも見積もっている中身が違うのです。金額だけを並べて比較しても、実は比較になっていません。
「安い」に飛びつくと、高くつくことがある
安く見える見積もりには、往々にして「見積もられていないもの」があります。開発が始まってから想定外の課題が見つかり、変更対応が積み重なり、スケジュールが遅延し、追加費用が発生する——。結果として、最初は高いと感じた見積もりよりも総額が大きくなるケースは珍しくありません。
もちろん、高い見積もりが常に誠実とも限りません。大切なのは、金額の差が「何を見ているかの差」から生まれていると知った上で、中身を見ることです。
判断基準は「自社の要件にどれだけ添っているか」
私たちがおすすめする判断基準は、金額ではなく提案書の中身です。次の観点で見比べてみてください。
- 自社の業務や課題を、どこまで理解した内容になっているか
- 「何が含まれ、何が含まれていないか」(前提とスコープ)が明確に書かれているか
- セキュリティ、テスト、リリース後の運用まで言及があるか
- リスクや不確実な点を、正直に書いているか
これらが具体的であるほど、そのベンダーは「あなたの会社のシステム」を見積もっています。逆に、要件をなぞっただけの提案書で金額だけが安い場合は、先ほどの「後から積み上がる費用」を疑ってみる価値があります。
提案の精度は、ヒアリングの深さで決まる
的確な提案書は、的確なヒアリングからしか生まれません。レザボア・コンサルティングでは、限られた情報のままお見積りを作ることはせず、初回の顔合わせから課題のヒアリングを重ね、必要に応じてディスカッションの場を設けた上でご提案書を作成しています。相見積もりの1社としてでも構いません。「この提案は自社の要件を見ているか」を確かめる材料として、ぜひご活用ください。